裏GOODDAYS 日々の随想

こちらは日々の随想を吐き出している裏ページです

友人の作る本物の国産十割そば

大学時代の友人でボクシング部にいたHが水戸で2004年5月にそば屋を開業して、ずっと行きたいと思いながら行っていなかったので、土浦に住んでいるMと一緒にそばを食しに行った。

私は長らくの間、かなりのうどん派(もちろん、腰の強い冷やしのさぬき一筋)だったのだが、ここ数年は嗜好が変わって、そば(もちろん、つなぎなしの十割をせいろで食べる食べ方のみを私は認めている…)もものすごく好きになってきていたところだったのだ。

 

朝起きて電車に揺られること1時間40分が経って土浦に着き、そこでMと合流し水戸へ向かった。

屋号はHのファーストネームから一文字とって「そばまさ」という直球勝負な屋号だったのだが、どうせ一文字とるなら「そば政」でも良かったのではないかともどうでも良いことを思ってしまった…(昔、「寿司政」で修行していたのでおそらくは避けたのだろう…)。

まあ、そんなことはどうでも良いこととして、店は寿司屋の居抜きっぽい簡単な作りの平屋なのだが、店の中は18席ぐらいしかないものの、清潔感があって、こじゃれた小物とかも置いてあって、お琴の音が小さく流されていてなかなか良い感じであった。

それに、Hのボウズ頭とどこからどうみても寿司屋のような”いでたち”から十分な気合いを感じられた。

ここで、若いお姉ちゃんではなく上品な感じのおばさんを雇っているところからもやる気を感じた。

頼んだメニューは、十割そば・十割田舎太そば・ゴマを練りこんだ日替わり変わりそばの3種のそばの天ぷらせいろを頼んだ。

 

頼まれてから天ぷらを揚げてそばを茹でるため、多少の時間はかかるものの、きびきびとした動作やしっかりとした水切りの様子から伺えるヤツの仕事人ぶりに「ほぅー」と関心しているうちに念願のそばが出てきた。

 

ところで、味のほうはというと、これがもう、猛烈に美味かった。

こんな美味いそばはなかなかお目にかかれないと思うぐらいのレベルだった(3種とも…)。

最近では、函館で食べたそばが美味かったがそれよりも美味かったかもしれない。

 

Hの仕事へのこだわりからか、「まずは何もつけずにわさびだけつけて食べてみて…」と言われたが、その意味がわかるほどそばの味と風味が伝わる味であった。

 

H自身が石臼で挽いた十割のまじりっけの無い国産常陸そばの味、枕崎産の自家毛削り鰹節の甘みがじわーっと出た濃い目だが飲めてしまうつゆ、旬の野菜がたっぷりの塩で食べる天ぷら、味の良いそば茶とそば湯…まさに完璧な仕事であった。

 

Hは大学卒業後OA会社に就職した後ですぐに退職し、九段下の「寿司政」で1年ぐらい修行をし、辞めた後に箱根で出会ったそばにほれ込んでそこで3年修行をして、今年に開業をしたらしいが、若くして店を持ち、これだけの本物の仕事をするとは…まさに脱帽である。

 

自分の友人がこれだけ良い仕事をしていると誇らしく思えてくる。

また、冬は水も冷たいのでそばを洗う作業も大変なのだろうし、今は?店に寝泊りしている生活らしく大変なのだろうが、これだけ良い仕事をしているのだから頑張って欲しいものである。

 

ゴマだの柚子だのを練りこんだ「変わりそば(江戸時代に上級武士に食されていたと言う…)」が「毎日全然出ない」とHはのたまっていたが、それはおそらくはHの作る十割そばに顧客がほれ込んでいるからであって、訪れる顧客に他を食べる心理的余裕が生まれないからなのだろう…。

このような仕事をしていれば味のわかる固定客がいずれは増えて行き、繁盛するのではないかと思った(そうすると余計に店から出られなくなる?)。

 

家に帰って、Hがサービスしてくれたお持ち帰りそばを茹でたが、かなり美味かったものの、やはりヤツの茹でるそばの歯ごたえにはかなうべくも無かったのだが、それでも美味かったたため、急遽音楽の仕事が入って食べに行けなかった彼女から「ねえ、来週行こうよ…」とアホな冗談を言われてしまった。

でも、また食べに行きたいものである。

 

「そばまさ」 茨城県水戸市浜田1-2-45    029-231-7398