裏GOODDAYS 日々の随想

こちらは日々の随想を吐き出している裏ページです

農民メンテリティーは日本の恥部

相当前に書いたのだが長らくアップし忘れていたのでアップします。

 ずいぶんと前のニュースだったがこれにはガッカリした(以下)。

民主党が、衆院選マニフェスト政権公約)で「米国との自由貿易協定(FTA)を締結する」としていた部分を、「FTA交渉を促進する」との表現に改めることを決めた。自民党や農業関係者から「農家が壊滅的打撃を受ける」と批判されたことを受け、軌道修正した。菅直人代表代行が同日の記者会見で明らかにした。修正後の公約では、交渉を進める際は「食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない」との文言も追加し、農家への配慮を鮮明にした。アジア諸国などとのFTA交渉に関しても、同様の表現を加えた。

 

民主党マニフェストに書いた「米国とのFTA締結」というメッセージに期待していたのに大きく骨を折られた。

農業への戸別保障バラマキだが、アメリカとのFTA締結をにらんでの戸別保障というのは小を捨てて大を取る戦略だと思うのだ。

自民党の農政族のバカどもよりは断然マシだし、現実的には直接支払いというのはセカンドベストだと言わざるを得ないと思う。

そして、「くれくれ星人」の農家にカネをめぐんでやって、その代わりに海外諸国への輸出に対して不当な関税をかけられないようにおもんばかるのは、なんだかんだいって工業立国として富を享受している日本にとって必要な戦略ではないかとも思う。

小沢氏は「農家には戸別所得補償制度の導入を提案しており、食料自給体制の確立と自由貿易は何も矛盾しない」と発言したが、これは氏にしては珍しく正論で、食料は輸入自由化によって一気に安くなるが、その差額は直接支払いで生産農家に補てんするという政策であり、マニフェストを書き換えなくても論理におかしい点はなかったはずで、農協などの団体にごちゃごちゃ言われて屈したのには本当にガッカリした。

ところで、安倍内閣もFTAを目指してはいたが骨を折られたので民主党にはがんばって欲しいものである。

 

韓国はEUとのFTAを締結する交渉を妥結させているようで、3年以内に9割以上の製品の関税が撤廃されるらしい。

ところが日本においては農水族の抵抗でEUとのEPA(EPAはFTAよりもさらに踏み込んだ協定をいう)交渉が進んでいないという。

日本が農作物に法外な関税をかけているために日本が輸出する製品などに関税をかけられるというバカバカしいことこの上ない状況に陥っている。

とはいえ、実際のところアメリカからは日本の輸出品に対してそんなに不利になるような関税はかけられていないらしいが、日本はアンフェアという言葉がピッタリ似合うようなステキな税率をアメリカやオーストラリアの農作物に対してかけている。

そのせいで消費者である我々は世界一高いコメや牛肉を食わされているわけだし、被害は少ないとはいえ、農業が利益セクターの足を引っ張るのは国全体の富に負の影響を与えるのでやめて欲しいものである。

 

それにしても日本の農業はデタラメがまかり通っている。

以下に、そう思う理由について思いつくままに述べていく。

 

谷津義男加藤紘一のような農水族が農地整備・農道整備・農道空港整備・漁港整備などにバカみたいにカネを使わせ、農業・漁業だけでなく建設業まで保護している。

 

・余計な土地造成事業や干拓事業を公共事業でやりながら減反するというのは支離滅裂にもほどがある。こういう愚をやれてしまうから国民は自民党と官僚に愛想をつかすのだ。

 

減反政策こそ愚の愚で、あれを維持しようとする農政族の政治家だけは絶対に許せない。減反に農業の未来がないことは補助を受けている農民が一番わかっている。まさに自民党らしい刹那的な政策である。

 

・コメばかりが高い販売価格が維持されているから減反されても他の野菜などを作らせもせずに休耕させるのは本末転倒でそれでは自給率向上にも寄与しないであろう。

 

・本来は零細兼業農業や農協を保護せずに、株式会社や大規模農家による産業としての農業を育成するべきであり、農水大臣の石破氏が意欲的な改革案を出しても先述のバカ農水族が抵抗してもみ消すようなマネばかりしているから国民は自民党に愛想をつかしているのだろう。

 

・日本は農地面積に対して農民の人口が多すぎる。アメリカやオーストラリアより農民の絶対数が断然多いのは産業としての効率が極まりなく低く恥ずかしいことを言わざるを得ない。効率化や株式会社化すれば高齢化など怖くないはずで、まやかしのプロパガンダに惑わされてはいけないと思う。農業も会社と同じで自営より法人でやったほうが効率が高いに決まっている。

 

・農家には先祖代々の土地に執着している人が多く、それこそが合理的な行動をとらない大きな要因となっている。こういった土地メンタリティーが、成田メンタリティーや、持ち家主義や、「どんな不便なところにも郵便局がなくては困る」といったわがままメンタリティーにつながっているのだと思う(関係ないが、「持ち家主義」について意見を述べる。中央線沿線から景色を見ればわかるが、4階以上の建物がほとんどない。各自が一戸建て住宅や第一種低層住宅地や日照権にこだわるからああいった街作りしかできないのだ。あれをシンガポールのようにマンションにしていたらどれだけ高度利用ができることか、緑あふれる都会を形成できていたことか、長時間の通勤地獄に苦しまずに済んだことかと思わずにいられない…)。

 

・国土が狭く平地が少ない日本において農が国の源泉となることは絶対にありえない。まず、石油が枯渇したら現代の農業は終わりである。また、90年代の「米騒動」では農家が極端な出し惜しみをしたものだからタイ米に助けてもらったのに、バカ国民はタイに恩義を感じるどころかタイ米を悪く言う始末。あの出し惜しみを見て日本の農家がいかに信用できないかが俺には良くわかった。お金と自由貿易体制があれば日本の農家より外国のほうがよほど信用できる。

 

・日本の食べ物だけ安全という神話も信頼できない。日本でもBSEが起きたのにアメリカばかりを信用できないように言うのは日本側の悪意に満ちたプロバカンダであろう。同様に食糧自給率食糧安保という考え方も論理が破綻しているのに農家保護のために作り上げたイメージ戦略的プロバカンダであるといえるだろう。

 

・農村には治水能力があるという。たしかにそのとおりだと思う。それならばそのために農業を保護するのではなく、むしろ治水のために治水的林業を公共事業で促進すれば良いと思う。人材も建設業から数多く流せるはずである。

 

・輸入だけでなくむしろ輸出攻勢をかけろと最近よく言われるが、実際のところ難しいようにも思う。私の故郷の宮崎県の自給率はカロリーベースで65%なのに販売額ベースでは256%で、相当な高付加価値の農業ができているわけだが、それは、牛肉だの鶏肉だのマンゴーだのが高く売れるからだろうし、7月頃には稲刈りが終わっているのでコメもそれなりに高く売れるからだろうが(しかも今年は全国で唯一作況指数がプラスだったそうな…)、それでも攻めの農業とやらは全く考えられないようでFTAなどには全力で反対しておりますなあ…。

 

野口悠紀雄氏が言うように金融やサービスで儲けられれば最高だが、今のところ日本に富をもたらすのは工業製品の輸出以外には考えつかない。先進国でない国を旅行をして彼らとコミュニケーションをとってみれば彼らの物欲がどれほどすごいかがわかる(反面、俺にはおそろしく物欲がないし、日本のように消費欲がない上、人口が減少し、高齢化が進み、財政赤字が山積する国での内需拡大は難しい)。潜在的には工業製品のマーケットはどこまでも広がっていると思う。日本は農業ではなく工業で成り立っている国である。

 

・どの調査結果を見ても日本の食品価格は世界で一番高い。自給率の問題なんかよりこの問題のほうがよほど大きい。翻ってシンガポールや香港は自給率ほぼ0%だからこそ食品価格が非常に安い。また、農業国の国民が飢えている話は聞いてもこれらの国民が食物で困ったという話を聞いたことがない。早く輸入自由化して国民はその恩恵に預かるべきなのだ。