裏GOODDAYS 日々の随想

こちらは日々の随想を吐き出している裏ページです

貿易赤字あれこれ

財務省が9月8日に発表した2014年7月の国際収支統計の報道を見ると相変わらず貿易赤字が拡大の一途を続けていることが伺えるが、購読している読売新聞は貿易赤字拡大の最大の原因を一貫して原子力発電停止による燃料の輸入の増加によるものだと挙げ続けている。

昨日の夕刊でもそうだし、土曜日の夕刊の「わかる!経済」コーナーでもそうだし、いつ見てもそうとしか書いていない。

毎回そのように断言するのにも関わらず、その裏づけとなる火力発電の燃料費や、それが貿易赤字に占める割合について書いてある記述を見たことがない。

俺が見漏れていることもあるかもしれないが、個人的にはずっとそれを気にしてチェックしてきたつもりである。

俺も読売新聞と同じく常に現実主義で考えるクセがあるので一貫して原発容認派であり、その点では読売新聞と取る立場は同じだが、貿易赤字の最大要因は燃料コストと書くなら、スローガンを唱えるだけではなく、きちんと数字を挙げて分析するのが大マスコミの役目だろうと思い続けている。

ところで、俺は俺が知り得る情報を合わせて考えてみて、燃料コストの増加が貿易赤字の最大の要因とは思わない。

確かに、緊急輸入のために足元を見られて液化天然ガスを高値で買わされているうえ、円安のため円建てでの購入価格が激増していることは間違いない。

しかし、2014年上半期での貿易赤字額は約7兆6千万円であるのに対し、原発停止による燃料費の増加分は半年では2兆円程度のようだからどちらにしても大幅な貿易赤字であることには変わらないのである。

確かに、貿易収支は2010年まで黒字で、大震災があって燃料費がかさむようになった2011年から赤字に転落し、そこから毎年赤字が増え続けている。

大幅な円安を起こした安倍内閣がスタートしたのは実質2013年スタートなので、円安が原因とも言いきれない。

したがって、理由は複合的なものだと思う。

複合的だが不可逆的な現象になり始めている。

とはいえ、そもそも貿易赤字が悪いのか、どの程度悪いのかということについての議論はたくさんあるし、貿易黒字赤字を論じることにはそもそもあまり意味がないと主張する本を読んでなるほどと納得したこともあるし、経済学の「国際収支発展段階説」とやらによると先進国は最終的には英米のような債権取り崩し国になっていくともいう。

ここ数年に日本で起きている状況というのは以下に述べるような状況であり、これらが働きあった結果で貿易赤字が拡大しているのだが、国際収支というのは貿易収支だけでなく経常収支や所得収支や旅行収支もしくは資本収支を総合的に見る必要があるのであって、貿易赤字だけを論ずるのではなく国際収支全般を分析してから論じる必要はあるだろうと思う。

そして、オイラは数字が苦手かつ経済学も簿記も知らないので、いろんな意見を読みはするがきちんと自分の力では分析できないのである。

とはいえ、現在の日本の国際収支について思ったことを、ごくごく基本的なことも含めて、自分のために以下にメモしておくこととする。

円安になれば、同じ量を購入したときに円建ての輸入額が増える

=何もしなくても円建ての輸入額が増える

円安になれば安く売れるので輸出が増えるはずなのに輸出額があまり増えない

=競争力が低下して円安でも思うように輸出が伸びない

=日本の収益源は製造業だがグローバリゼーションのなかで先進国が製造業で食べていくのは難しくなっている

=余談だが、貿易赤字下の円安であっても円安になるほうが平均株価が上昇する傾向にあるが、伸び率が低かろうが、製造業では難しかろうが今の日本は貿易において(投資などは別)は製造業で稼ぐしかないからであろう

=いずれ輸出の伸びが輸入コスト増を上回るようにするための円安誘導でありアベノミクスのはずだから、それができないようならばアベノミクスは失敗ということになる

グローバリゼーションおよび長らく続いた円高のために日本企業が人件費の安い海外に生産拠点を移転して逆輸入が増えている

=例えば、日本国内のユニクロダイソーで購入する行為は輸入につながってしまう

=日本企業の海外進出は日本国内でのGDP増加にはあまり寄与しないが、所得収支の黒字には大きく貢献する

所得収支は7月の黒字額としては1985年以降で最大となっており(2014年9月8日読売新聞朝刊)、実はこの額が膨大で、貿易赤字をかき消すぐらいの黒字額を拠出している

=日本企業の海外進出が広がって、海外の支店から日本への送金が増えている

旅行収支は長らく大赤字だったが、訪日観光客の増加に伴って44年ぶりに黒字が発生する状況となっており、海外で日本人旅行者が使う合計額より外国人旅行者が日本で使う合計額がわずかではあるものの38億円だけ多く(2014年7月)、この傾向が続けば旅行収支の黒字はバカにはできない数字になるものと思われる。

=最近の銀座(築地もだけど)は海外からの観光客が多く、日本の都市とは思えないぐらいに多国籍になっていて個人的にはとても楽しい

=余談だが、外国人がユニクロで買えば日本企業の利益となるが、アバクロで買った場合には日本のGDPに貢献するものの、それと同時にアメリカ企業の所得収支が増すことにもなる

こうやって思うことを羅列するのも頭の整理にはなるし、企業がこれだけグローバル化するなかで国内だの国外だのを論じる意味があるのか・きちんと国内分と国外分を分けて分析できるのかは疑問には思いますが、もう少し体系的に理解するために経済学の基本的なことをこの歳にまでなってみっともないですがもう少し勉強しようと思いました。

もちろんこれまでも本だけならたくさん読んでいるのですが、やはり理解を深めるには本を読むしかないので、早速、本を探して読むことにします(笑)。